まずはメデントグループで行われる通常のインプラント治療の流れを簡単にお話ししておきましょう。わが国最高の技術水準を誇るメデントグループでは、インプラントを植立するのに十分な骨がないなど、一般歯科医やインプラントセンターを標榜している医療機関では治療不可能として断られるような難症例にも対応していますが、それは別の話、後で詳しくお話ししましょう。
一九七〇年代に確立した、オッセオインテグレーテッド・インプラント(骨結合型インプラント)は、現代では信頼性のきわめて高いインプラントとして広く普及しようとしていますが、手術的な治療法であるだけに、やはり事前のインフォームド・コンセントが重要です。メデントグループではカウンセリングの段階で、ゲストの治療に対する疑問や要望、不満をお聞きし、一つ一つの問題をクリアする方法をゲストといっしょに検討します。最初の設計とデザインが重要なのでキャストとゲストが一体となって、二人三脚で形をまとめ上げていきます。
一口にインプラント治療といっても、限定的な小さな小手術から、メデントグループが行うような難症例に対する大規模な手術までさまざまです。小手術であればほとんどリスクはありません。しかし手術規模が大きくなるにつれてリスクは高くなります。このような難症例に対する手術を、経験の浅い医師に任せることは危険です。メデントグループの医師は厳しいトレーニングを経て認定され、かつ毎年一度のヨーロッパでの学会研修、スウェーデンでの実技の研修が義務付けられていますから、高度な技術を要する大規模手術のリスクを最小化するノウハウを叩き込まれています。
このような厳しいクオリティーコントロールがあってはじめて、難症例に自信を持って対応することができるのです。リスクを回避するためには、内科的、外科的既往症や持病、現在の健康状態から、麻酔薬や抗生物質に対するアレルギー反応の有無などについてもできるだけ詳しく、最初にお聞きします。 そのうえで、オルソパントモグラフを撮影して、ゲストの希望に応じた治療の概略を打ち合わせるばかりでなく、その結果、どのような効果が期待できるのか、出来上がりがどのようになるのか、ゲストに対して具体的な見通しを示すようにしています。
また、手術の前には精密診断が欠かせません。メデントグループではオルソパントモグラフ、X線多層断層撮影、CTスキャンなど最先端の機器を用いて、あらかじめ顎の解剖学的構造を細部にわたって検査し、インプラントを植立するだけの顎の骨の量と厚みがあるかを調べます。そのうえでインプラントを植立する位置、深度、角度などを綿密に検討します。
十分な検査を行っても難症例への対応はきわめて高度な技術が要求されますので、このような検査体制が確立されていない一般の歯科医院では、成功失敗が丁半博打のようなものになってしまいます。そして手術前には口腔内模型を作成して、顎の骨の状態、顎の骨の厚み、歯肉の状態、歯の抜けている部分の噛み合わせがどうなっているかなど、詳しく調べます。
こうした精密診断と並行して、インプラント治療では内科的診断も重要です。インプラント治療では骨の成長が止まっている一六歳以上の人なら、基本的には年齢や性別に関係なく適応がありますが、重度の全身疾患や慢性消耗性疾患のある人は慎重に対応されなければなりません。したがって、問診だけでなく、実際に血圧測定、心電図、血液検査などにより、そうした病気の程度を判定することもあります。
一般にインプラント治療が適さないというのは、次のような疾患のある場合です。内科主治医がいるゲストに対しては、その医師に対診する場合もあります。